見知らぬ人の手帳が読める【手帳類図書室】は、本当の言葉で大人を救う保健室?

誰にも言えないことはありますか?
いきなりですが、誰にも言っていない
自分だけで抱えている悩みはありますか?
私はあります。
「言ったところで、たぶんわかってもらえないだろうなぁ」とか
「いくら仲良くても、これはさすがに話せないよなぁ」とか
言えないからこそそれは悩みなのであり
悩みがあるからこそ、人は人に興味が持つのだとも思います。
みんなどうやって生きてるんだろう?・・と。
そんな普段は誰にも見せていない“ 本当の部分 ”を
少しだけ覗くことができる場所
というのが、実は渋谷区代々木に存在するのです。
その名も「手帳類図書室」
もう面白すぎて4〜5回は行っているので
今回はその魅力をお伝えしていきたいと思います^^
手帳類図書室ってどんなところ?
私はここを、前の職場のスタッフに教えてもらったのですが
最初聞いた時は意味がわかりませんでした。

なんか普通の人の手帳が読めるところがあるらしんですよ

・・・普通の人?どうゆうことですか?

例えば太宰治とか、有名な人の手紙とかって、美術館とかに所蔵されてたりするじゃないですか

はい。

あんな感じで、一般の人の日記を集めたらどうなるかって、展示してるところがあるらしくて・・・

・・・ん?
一般人の日記なんて誰が読むんだ・・・?
と、最初は私もそう思ったのですが
よくよく聞いてみると、これが結構おもしろかったんです^^
手帳類図書室の特徴 その①
まず一般人だからこその一番の魅力として
人に見られるために書いていないというのがあります。
芸能人だったり有名な作家さんの文章というのは
基本的には人に見られることを前提として書かれているので
良くも悪くも脚色されている部分というのがあります。
しかし、この手帳類図書室に置かれている文章たちは
もともと誰にも見せないつもりで書いたものが
色んな流れによってたまたま手帳コレクターさんのもとにやってきたもの
なので、そこに記されているのは
限りなく本音に近いものになります。
手帳類図書室の特徴 その②
もう一つの特徴として
色んな年齢の、色んな職業の人たちの
文章が収められているので、自分が普段は
あまり関わらないような人の胸のうちも垣間見れたりします。
ニートの人、大学生の人、介護士の人、プログラマーの人、彫刻家の人
ギャンブラーの人、詩人の人、デリヘル嬢の人、子を持つお母さん
小学生の人、発達障害を持つ人、留学生の人、闘病中の人・・・etc
などなど、他にもまだまだいろんな特性の人がおり
中には「おまいは、わいか!」と叫びたくなるほど
心のドッペルゲンガーに出会うこともしばしば。
・・・また、SNSとは違い、直筆で書かれているため
そこからしか読み取れないものというのも滲み出ていたりします。
手帳類図書室の特徴 その③
人間の手によって書かれた
直筆の文字というのはその人のもっている
文字の癖だったり、独特なページの使い方
また絵や、大事だと思って貼られたと思われる
新聞の切り抜きや、写真など….
文章以外のものの方がその本質を語る場面というのも多く出てきます。
これはもう見てみないとわからないものなのですが
逆に言えば、見れば一発でわかるとも言えます。
同じ人でも書かれた時の状況によって
文字の様子が変わることもあります。
(恋をしたりだとか、闘病生活にはいったりだとか。)
とにもかくにも行ってみよう
そう、ここまで聞いて「もう行かずにはいられないぜ・・・」
と思った当時の私は、とりあえず仕事が終るとすぐに調べ
次の日にはもう行くことにしたのですが
実は予約をしてから向かった方が500円ほど安くなる
とあとから知ったので
もしもこれから行こうしている人は
予約してから行くことをお勧めします。
ちなみに2025年3月現在の料金はこんな感じです↓
相席 予約あり | 相席 予約なし | 貸切 予約あり | 貸切 予約なし | |
1名様利用 | 1000円 | 1500円 | 3000円 | 4500円 |
2名様利用 | 1000円 | 1500円 | 1500円 | 2250円 |
3名様利用 | 1000円 | 1500円 | 1000円 | 1500円 |
お1人さま1枠で予約をして入ると
1000円で90分間たのしめます。(平日)
ちなみに初めて行った時は
建物の入口が非常にわかりづらく
….. ( ・_・)ノ
ヽ(・_・ ) ….
・・・ん?
と、スマホ片手にしばらくウロウロしてしまったので
今回は、写真付きでご案内したいと思います。
普通の路地裏に突如現れる?

いちおう最寄りとしては小田急線の参宮橋駅
になるのですが、おぉ〜この日は天気がとても良き。
Googleマップをもとに下記の住所へと向かっていくと
なんかさ「寒くないいいい?(369NAIII?)」
と、おのれしか知りえないような言語で話す
昔のギャルのような一方通行の看板があり

そのまま矢印ほうこにしたがって歩いていきますと
左側になんとも言えない
青色の素敵なオブジェたちが出現します^^
イガイガイガっ、しゅっしゅっしゅっ


ザザーンっ
「いいなぁ、こんなの作れたら楽しいだろうなぁ。」
なんて思いがふと頭をよぎったところで
「ん?」っと顔をあげますと

・・・。
・・・ぴ?
….. ( ・_・)ノ
….. ! ( °Д°)ノ

Picaresque(ピカレスク)
こ、ここじゃないか!
ちなみに、ここからが少しわかりづらいのですが
この建物のの、ここの扉が入口でして

一見、外から覗くと素敵なアートギャラリーになっており
手帳類図書室とは違った場所のように見えます。
私も最初行った時は「ここであってるのかな・・・」
と、いまいち確信が持てず
しばらくグルグルとしてしまったのですが
「とりあえず聞かないことには何もわからない」と思い
意を決してこちらの扉を開けてみることにしたのでした。

綺麗なお姉さんが「ご予約はされてますか」
カランカラン・・・と扉を開けると
そこには可愛らしい表情を持った個性的な作品たちが
両サイドにたくさん並べられていました。
「あれ、やっぱり人の日記が置いてあるようには見えないな・・・」
と思いながらも恐る恐る奥の方で
パソコン仕事をしていた
黒髪ショートカットの綺麗なお姉さんに聞いてみることに

す・・・すいません。あのなんか・・・

こんにちは^^

あの、手帳類図書室っていう場所がこの辺にあると聞き・・・

ご予約はされてますか?^^
(・・・え・・・ここであってる・・・?)

えっ・・えっと、してないです。

では、当日の料金でのご案内となりますがよろしいですか?^^
そう言って簡単な料金システムと
注意事項を教えてくれたかと思うと
「では、お入りください。」
と言ってお姉さんは、自分の後ろに
かけられていたカーテンをサっとめくったのでした・・・
え・・・ここなの?
驚きつつも奥の部屋へと入ると
そこには4人がけくらいの机が一つと
椅子が4つくらいぽつん置かれてあり
簡単なここでのルールが書かれたボードを手渡されました。
❶ 個人情報になるため写真撮影はできないこと
❷ ここを出たあとも個人が特定できるような発信はしないこと
そして、机の上に置かれた暗記帳のようなメモ用紙に
日記の書き手の情報が載っているので
“ 誰の日記が読みたいか決まったらこちらのベルを鳴らしてください ”
とだけ言いカーテンをサッと閉めると自身の仕事へと戻られたのでした。
手帳類図書室の使い方
ポツンと部屋の中に一人残された私は
目の前のメモ帳に目を通しました。
するとそこには、手帳を書かれた方の
⚫︎年齢や性別
⚫︎ご職業(わからない場合もある)
⚫︎どのようにしてここに持ち込まれたか
⚫︎書いてある内容や雰囲気
などが書かれており
そこから気になる方のものを
振られている番号をもとに注文します。

決まったらベルを鳴らすと

サッとまたカーテンがあき
「お伺いします^^」
と言ってくれるので “ A ー 25 ” などと
読みたい手帳の番号を伝えると
机の上に用意してくださります。
ここまでくれば、あとは90分間
思う存分、自分の読みたい手帳に没頭してください。
顔も知らない書き手と繋がる感覚
手帳を読み進めていくと
今までに味わったことのないような感覚が何度も訪れます。
一人の人のものを何年も何年も追って読んでいくと
だんだんとその全体像が見えてきて
「あ、そうゆうことか」となることもしばしば。
私が3回目の訪問にしてようやく気付いたのは
姉と弟が会話形式で進んでいく手帳があったのですが
その途中で実は弟は存在していない架空の人物だった
というものがありました。
また、普通の会社員の方の手帳で
えーと、今日は書くことが何もない。
なぜ男の人は足の指の根本から毛が生えてくるのだろう。
毛っていうのは大事なところを守るもの。
メリットなんなの?
てか、手の指からも生えてたし。
というのもありました。
これには、さすがに肩を大きく振るわせましたが
この方は、ほぼ毎日気になることを
数行で書いていくのですが
書くことがないといつも毛の話に脱線するのが
もう本当にやめてくれ・・・と
胸毛がすごい人がポロシャツを着るのは
かっこいいと思ってるからなのかどうなのか。
ちなみに俺が今日見た人は
親に買ってもらってると言っていた。
どうやったら、胸毛のすごい人が
「俺、このポロシャツ親に買ってもらったんだよね」
と言っている場面に出くわすのでしょうか。
もう本当にこの人は何度読み返しても
飽きさせない謎の魅力を持っている人でした。
もしも何かに悩んだのなら

もしも何かに悩んだのなら
一度、手帳類図書室を訪れてみてもいいかもしれません。
どうにもならない時に染みるのは
過去の偉人や、キラキラ輝く芸能人の言葉なんかよりも
案外そこら辺で生活している
知らない一般人の本音なのかもしれません。
10年も20年も前に、どこかでひっそりと書かれたそれは
今、時と場所を超えて
全く面識のない私の心を動かせ
こうやってブログにまで書かせています。
それって本当にすごいことで
これを見た誰かが、あなたが
また何かに動かされて
そこに触れに行ってくれたら面白いな、とも思います。
本当にこんな経験ができる場所はなかなかないと思うので
ご興味ある方はぜひ、行ってみてくださいませ^^
ちなみに、電車じゃなくて自転車派の方

ちなみに「わし、電車よりも自転車なんよ。」
といった私みたいな方へ
参宮橋の駅のすぐ近くに
2時間無料で、その後24時間ごとに110円
というありがた〜い駐輪場もあるので一応載せておきます。

なぜかGoogleマップに載っていなかったのですが・・・
住友化学株式会社参宮寮のすぐ横にあります。
渋谷区がやっているのでご安心を〜^^

