お寺の地下に雪がふる?二子玉川にある玉川大師で非日常体験【寒修行】をして来た話

「あ、あそこ知ってる?あの・・・お寺の地下に 真っ暗な通路があって。」
「両サイドに お地蔵さんがズラーって 並んでるところ・・・」

・・・なんですかそれ、知らないです。
「いや、あったんだよたしか昔、そんな所が。」
「なんだったっけなぁ・・・」
そう言って、古い記憶をたよりに話してくれたのは
私の今の職場である古本屋さんで
パートとして働いている主婦の方でした。
⚫︎ お寺の地下に真っ暗な通路があり
⚫︎ その両サイドにお地蔵さんがズラリと並べられている場所
というのに、昔行ったことがあるのだとか・・・
どうやら二子玉川にあるらしい
と、いうことで、すぐさまその場で
「お寺・地下・お地蔵さん」などで調べてみると
なんと見事に二子玉川にヒットしたではないですか。
その名も “ 玉川大師 ”

うわ、なんかすごいの出てきました・・・ここですか?
「あ、そーそーそーそー!」
・・・と、いうことで。
次の休日。
さっそく向かってみることにしたのでした。
予約なしでも地下霊場は入れる
ちなみに
予約をしなくては・・・!
と、前日になってようやく焦って電話をしたところ
なんと地下霊場への参拝は
- 9:00〜16:30までの間はいつ来てもOK
- ただし最終受付は16:00までで
- 臨時休業以外は、基本的に年中無休でいつでもやっている
とのことで
予約なしでいつでも来て良いというのです。
なんと魅力的なのでしょうか。
う〜ん
これは、ありがたい。
ということでそのお言葉に甘えて
私も、当日そのまま飛び込みで行くことにしたのでした。
私の場合は自転車で行ったのですが電車の場合は
二子玉川駅から徒歩 11分 とのことです。(Googleマップより)
癖の強い看板?
当日、Googleマップを見ながらなんとなく
玉川大師の方へと向かっていくと
ぬんっ!
と、とつじょ現れたのは少し癖の強い看板でした

なんと言いますか
「玉川大師」と、同じテンションで
「おとなりです」も、いこうとしたが
「お」の時点で「このままじゃやばい!」と思い
急ハンドルを切った感が、じんわりと漂ってきます。
なんと愛らしいのでしょうか。
んでもって、そのすぐ隣にあった倉庫の横を
通り過ぎようとしたところ
なんだかとても気になる張り紙を見つけてしまったのです。
・・・ん?

なんか貼ってある・・・
なんだろう?

寒修行?
なんかだよくわからないけれど
寒そうなイベントが今、地下で開かれているらしい・・・
ということだけはわかりました。
梅干しのような岩もぜひ
境内に入ると、まず立派に目の前にそびえ立つのは
もちろん玉川大師そのものですが

これまた絶対に見逃せないのが
そのサイドにどてんっと置かれている
梅干しとしか言いようのないフォルムの肉肉しい岩・・・

(※ 岡崎産亀甲石)

こんな岩、他で見たことがありません。
その赤ちゃんの手足のような
モチモチした触感を思わせる独特なフォルムは
自然と近づかずにはいられない存在感を放っています。
ひとつき100円の長寿の銅鑼(ドラ)
参拝をする前に、もうひとつ押さえておきたいのが
こちらの“ 長寿の銅鑼 ”です。

となりに設置された木箱にチャリンと100円玉を入れ
デーンと思い切り鐘の音をふるわせたのなら
なんとも言えない渋い音があたり一体に響き渡ります。
「ほう、なかなか良いんでないの?」
と、違いがわかる女ふうに鐘の表面を
あっちからこっちから
まじまじと観察していたところ

「こんにちは、参拝の方ですか?^^」
と、中からとても感じの良い女性スタッフさんが出てきてくださり
「え、あ、まぁ、そんな感ジス。あす。オー」
と、とても大人とは思えないような返事をしてしまいました。
ふぅ・・・いよいよ中へ
この日は、平日(木曜日の昼頃)で
運よく空いていたのか
私の他には60代くらいの女性が2人くらいしかいませんでした。

靴を脱ぎ、促されるまま入口の方へ向かうと
お線香をあげられるスペースがあり

ここから先は、撮影禁止とのことだったので
スマホはしっかりバックの奥へとしまいこみ
寒修行に集中することにしたのでした。
予想を遥かにうわまわる異世界体験
何かもう、なにからどうお話しして良いかわからないのですが
ただ一つだけ言えるのは
もしもネットで「玉川大師」と
調べて出てくる画像を、見ていたとしても
それを遥かに上回るような
圧倒的・異世界感がそこにはありました。
少しでも普段と違った体験をしてみたい
という方には、本当におすすめの場所です。
どうやって参拝するの?

とりあえず、まずは受付で
「地下霊場に参拝したいんですけど・・・」
とモジモジしながらでも伝えることができれば
あとはものすごく丁寧に
その後の手順を教えてくださります。
ちなみに参拝料は通常時でこの金額です↓
⚫︎高校生以上:1000円
⚫︎中学生以下:500円
また、今回のようなイベントがある場合は、その都度変わるようです。
私が行った寒修行(かんしゅぎょう)は
⚫︎高校生以上:1500円
⚫︎中学生以下:1000円
でした。
料金のお支払いが終わると
いくつかの箇条書きでまとめられた
地下霊場とはどういう場所なのかという説明と
そこでのルールについてまとめられた
簡単なボードを手渡されます。
地下霊場ってどういう場所?

ものすごく簡単に地下霊場について
まとめさせていただきますと
玉川大師の地下には
地下5メートル・長さ100メートルほどの長い道が
仏さまの胎内となって続いており
そこを通ることを胎内めぐりと言います。
胎内には、300体ほどの石仏が置かれており
そこを参拝したものは
四国88ヶ所の寺を全てまわる、お遍路をしたのと同じご利益がある
と言われています。
地下霊場のルールとは?
地下霊場には、守らなくていけないルールが
主に2つだけあります
⚫︎写真撮影は禁止
⚫︎どんなに暗くてもライトは使ってはいけない
これがまた、簡単なようで
実際、一人で行ってみると、踏み出して5歩で
「あ、ちょっと無理です〜」
とクルッと来た道を引き返したくなります。
さすが「修行」とつくだけあって
ちゃんと緊張させられるし
そこには勇気としか呼びようのないものが確かに必要になってきます。
「これ、本当にこのまま行って大丈夫なのかな・・・」とか
「待って、床斜めになってない・・・?」などなど
何度も何度も“ ちょっとまった ”
という出来事が顔を出しては
その度に壁につけた自分の手の感覚だけを頼りに
ひたすら前へと進みます。

暗闇の中の3つのミッションとは?

最初にお話しした通り
この地下霊場は、ただ暗闇の中を通り抜けられたならOK!
というわけでもなく・・・
実は小さなミッションが3つ用意されています。
① 手の感覚だけで壁に埋めこまれた五鈷杵(ごこしょ)を見つけだすこと
② 自分の数え年と同じ番号の仏様に挨拶をすること
③ 打ち上げの鐘を鳴らしてから地上へ出ること
❶ 暗闇の中で掴むハンドルみたいな形の五鈷杵とは?
2ヶ所目の真っ暗闇の通路のどこかに
五鈷杵(ごこしょ)と呼ばれるインド発祥の
手に握れるハンドル見たいな形の法具が
壁のどこかに埋め込まれています。
これを掴むことができたら
すぐ上にある仏さまと繋がることができると言われています。
❷ 自分の数え年の番号の仏様にあいさつ
最初に見せてもらう説明書きのボードの裏面には
実は、自分の数え年の番号が探せる表が記載されています。
ちなみに数え年は満年齢にプラス1歳と
けっこう複雑な数え方をするので
わからなければ、入る前にスタッフの方に
確認してみると良いかもしれないです。
⚫︎地下にいる仏像様には、よくみると一体一体番号が振られているので
⚫︎自分の数え年の仏像様に挨拶をしてから地上に出ると良いとのことです
ちなみに仏像様は、すべて顔が違うので
それをじっくり見て回るのもかなりの見応えあります。
❸ 最後に打ち上げの鐘を鳴らして地上へ
暗い通路を抜け、自分の数え年の仏さまにも挨拶を済ませたら
最後に「打ち上げの鐘」というのを
ぼーんと鳴らしてから地上に出ます。
これは無事に参拝を終えましたよ
仏様に最後にお知らせする鐘であり
3つの中では一番わかりやすい位置にあるので
見つけやすいと思います^^
ちなみに今回の寒修行では

当時の修行を再現・・・ということで
いったいどうやって、ふらせたのか
地下霊場のいたるところに雪が積もっていました。
一体一体の、仏様の頭やあぐらの上には
まるで、さっき止んだばかりかのような柔らかそうな雪が落ち
ほんのすこし不安を横に置いて
ふ〜っと1回、深呼吸をしたのなら
そこにはノスタルジックな世界が満開に広がっていました。
こんな経験ができる場所、なかなか他にないです。
オリジナルの限定品ももらえる

ちなみに、普段は受付を済ますと
暗闇の中で発光する「光運石」をもらえるらしいですが
この寒修行では、暗闇の中でほんのり香る
アロマペンダントをもらうことができました。
実際には余裕がなさすぎて、修行中に
匂いまでは、中々かげませんが
一週間経った今でも良い匂いが続いています。
非日常体験がしたいのならぜひ玉川大師へ

もしも、いつもとはほんのちょっと違った
非日常を味わいたいと思ったのなら
是非とも一度、二子玉川にある玉川大師に行ってみてください。
⚫︎予約なしで9:00〜16:00まで地下霊場に入れます。
⚫︎イベントの時期でなければ参拝料は1000円です。
⚫︎暗闇のなかでこなす3つのミッションをお楽しみに! (2025.3月現在)
