村上春樹好きな人が集まる【夏帆】の読書会に行ってきた体験レビュー|赤坂のねじまき料理店にて

hanao

村上春樹が好きな人は、どこかで繋がっている

好きというより、なんかわかるような気がして読んでしまうのは私だけですか?

赤坂駅・4番駅出口にいるアリクイ

なにか、心のなかの深い部分が動くような本に出会った時

「これ、同じような感覚になる人っていないのかな?」

と思い、そんな人がもしも何処かにいるのなら

会って話してみたいと思ったことはないでしょうか?

好きとか嫌いとか、小難しい文学論なんかを話すのではなく

「なんかこれ・・・わからないけどわかる気がする」

といった言葉では説明できないけれど

それがすごく大切な根源的なものに触れていることだけは

なんかわかる・・・みたいな感覚と言いますか。

うーん、、説明すること自体がなんだか少し違う気がするから

けっきょくは、黙って一人で思い巡らすことくらいしかできないのですが

先日、まったく関係のない目的で「つなげーと」というサイトを見ていたら

ものすごく引っかかる投稿を見つけてしまったんですね。

村上春樹の新作「夏帆」を読んだ人で集まりませんか

場所は、赤坂の「ねじまき料理店」

それは、思わず私の指を止めました。

まさかと思って調べてみると・・・

やはりその店名は、村上春樹作品「ねじまき鳥クロニクル」からきているとのことでした。

ねじまき料理店

〒107-0052

東京都港区赤坂2丁目17−52 パラッツオ赤坂 102

地図はこちら

なんかわからないけど、行った方がいいような気がする。。。

そう思うと、そのままネットで夏帆を注文し

( この募集をきっかけに新作が出たことを知った )

次の日には本が届き、久しぶりに村上春樹さんの世界に

半分体を浸しながらの生活が始まったのでした。

ある日曜日の18:00「ねじまき料理店」に集合

赤坂駅4番出口のアリクイ

指定された、ある日曜の夜18:00にお店に向かうべく

赤坂駅4番出口をでようとすると(お店から一番近い出口に)

なんと、アリクイと思しきイラストがあるではないですか・・・

この時点で、かなり現実と物語の境界線があいまいになってくるような感覚を覚えます。

今回、夏帆の中でアリクイはかなり大切なキーとなる存在として登場します。

そして幹事の方が送ってくれたメッセージと

現地までの目印となる写真を頼りにお店に向かって歩いていくと

とても閑静な住宅街へと辿り着きました。

お店までの道

えっ・・・

こんなところにお店があるとは思えないくらい静かです。

本当にこっちで合ってるよね?

と思いながらも、突き当たりの角を曲がってみると・・・

ねじまき料理店

ありました。

もしかしたら、そのまま「とぎや」に着いてしまうんじゃないか

と思うほどの静かな緊張でございました。

17:50「ねじまき料理店」にて幹事さんと2人きり

「ねじまき料理店」入り口の文言

ねじまき料理店に到着すると、入り口の小さな窓

このような文言が立てかけられていました。

お客様へ

当ねじまき料理店は、お料理とお酒と会話を楽しんでいただきたく

裏の道で営んでおります。

お仲間と「語らう」お時間をお過ごしくださいませ。

大きな声での会話や、手を叩くなどのご行為はお隣のかたのご迷惑になります。

また、静かなマンション、住宅の中にございますので

しばしばご近所の皆様にご迷惑をおかけしております。

お声のボリュームにご配慮くださいますよう切にお願いを申し上げます。

どうぞ、ご理解とご協力をお願いいたします。

ねじまき料理店 店主

なんだろう、とてつもなく物語への入り口感が漂っていませんか。

その透明なドアの向こう側には、すでに幹事さんがいることはわかっていたので

ふぅ・・・っと一つ長めの息を吐くと、そのまま扉を押したのでした。

こんにちは・・・「夏帆の読書会」で来ました

棚に置いてあった本とグラス

入り口をくぐると、短髪にオレンジのTシャツを着た

同世代(30代)と思しき男性が「こんにちは」とハリのある声で挨拶をしてくれました。

「こんにちは、はなおと言います。今日はよろしくお願いします」

まだ誰も来てないので、よかったらお好きな席にどうぞ

そういうと幹事さんは、8人掛けくらいの大きな席へと手をかざしました。

メニューが「ノルウェイの森」

ねじまき料理店のメニュー

よかったら、飲み物でも先に見ておいてください。

そう言われて差し出されたのは、うちにも昔からある見慣れた本でした。

開いてみると・・・

メニューが出現

なんとメニューが出現。

どうしようかと迷っているうちに、扉が開く音がし

気づくと、本来だったら決して交わることのない

20代〜40代と思われる男女7人が一つ屋根の下、同じテーブルを囲んだのでした。

簡単な自己紹介を交わす(職業・年齢・不明)

まずはそうですね、簡単な自己紹介を一言。

と幹事の方かたが言うと、はじから順番に

〇〇と言います(ニックネーム)

好きな作品は、海辺のカフカです。よろしくお願いします。

くらいの、本当に簡単な「呼ばれたい名前と、好きな作品」くらいの挨拶を交わし会がスタート。

皆さん、どうでしたか、夏帆はどこが一番印象に残っていますか?

そのような流れで会は始まったのでした。

それぞれの解釈と、不思議な共通点

いちじくと白桃の白和え

シロアリの女王、アリクイの夫婦、ジャガー、守護天使。。

この物語には、一言では説明しきれないくらい様々な登場人物や出来事が起こり

「自分は、こうこうこう解釈しました」

みたいなスッキリした顔の人は一人もおらず、皆がみな首をひねりながら口を開きました。

ただ、不思議なことに、話す内容はうつり変わっても

なんかわからないけれど、とても大切なものが流れている気がする

といった気配だけは、皆に共通してずっとあるのがとても面白く・・・

普段は、別々の世界で、別々の生活を送りつつも

たどってきた心の道のりはどこかで繋がっているかのような不思議な感覚を覚えました。

すごいですね村上春樹さんって・・・

感覚で人を集めてしまう何かの入り口かのよう。

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女性で村上春樹が好きな人って、何でなんですか?

会が進むにつれて、前の席に座っていた男性からご指名で質問を受ける。

「あ、えっと・・・」

「女性で村上春樹が好きな人に会ったことがなくて。なんでなんだろうって」

「珍しいんですか?」

「いや、結構めずらしいと思いますよ、僕の周りにもいないです」

他の人も同じトーンで入ってくる。

「確かにこの会も最初男性しか集まらなくて、最後にお二人がご応募してくれた感じなんです。」

と幹事さん。

しかし、もう一人の20代と思われる女性は、今回夏帆を読んだのが初めてなのだという。

( 実際はたまたまだと思います、女性もたくさんいるはず )

なんていうか村上春樹作品って・・・

結構グロテスクなシーンや、性的な描写も多いじゃないですか。

そうゆうのって、女性はどう思うのかなって。

そこがメインではない

ラム肉のステーキ

あ、そうゆうことですね・・・

えっと・・・たしかに、生きた人間の皮を剥いだり、猫を残酷なやり方で葬ったり

結構、衝撃的なシーンは出てきますけど、それはたぶん皆さんと同じです。

「そこがメインではなくないですか?」

「多分ですけど作品の中で大切なものを見るためには、どうしてもそこを通る必要があったんだろうな・・・というか」

うーん、、、音楽みたいなものでもあり

全体を流して聴いてみたときには、どうしてもそういう音も大事なパートの一部だったみたいな

左手の濁った重低音がないと、右手のメロディも際立たないみたいな。。

あれ、これ、伝わってますか。

( すみません、あくまで私個人の見解です )

一夜限りのディープな会

想像以上に、わりとディープに読み込んでいた者たちが集まったその会は

気づくと1時間以上も押しており、店員さんにラストオーダーを聞かれて

初めて時計を見ることになる。

個々に連絡先を交換することもなく、オープンチャットだけを作るとそのまま解散。

この先また集まるか集まらないかは、誰にもわからない。

しばらく経って「次はどうしますか」と、もしも誰かが呟いたのなら

「武蔵境はどうでしょう」くらいは言ってみたいなと思いながら、今の所は静観している。

書いている人
はなお
はなお
非日常ハンター
こんにちは、非日常ハンターの、はなおと言います。

普段は、古本屋で働いています。

いつもとは、ちょっと違った感覚になれるような「非日常」が大好きで、実体験をもとにこのブログを書いています。

同じような感覚の方と繋がれたら嬉しいです。

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